2012年度大会シンポジウム、プレ研究会のお知らせ

次回大会 シンポジウム
テーマ「再考・フェミニズムと『母』─異性愛主義と『女』の分断」

フェミニズムには積み残してきた課題が多くある。そのひとつに「母」をめぐる事柄を挙げることができるのではないだろうか。2011年3月11日の東日本大震災以降、マスメディアにおいて、復興支援活動や放射能被曝から子を守ろうとする活動を担う女性たちの姿が「母」のイメージと強く結びつけられる機会がより多くなってきている。いままでも存在した「女=母」というイメージがより一層突きつけられるなかで、女たちのあいだに温度差や乖離、そして分断がもたらされている。
たとえば、これまでのフェミニズムのなかには、「産む性」の立場からの主張を本質主義的な「母性礼賛」と見なし、ジェンダー構造の再生産に加担する危険性をはらんでいるとみる批判もあった。たしかに、役割として「女」に 押し付けられる「母」のイメージは、異性愛主義によって構築されてきたものでもある。しかし、とりわけ、東日本大震災以降の現状に照らし合わせると、「母」の立場に依拠した主張をそのようにしか位置づけないことで、女性間にあらたな分断が生み出されているのではないだろうか。
今回のシンポジウムでは、「母」をめぐる問題に対して本質主義か否かの議論に陥りがちであったフェミニズムを批判的に検討する。そしてそれは、「母」や「女」といったカテゴリーと、個人の多様性を尊重することの矛盾について向き合いきれてこなかったという課題を、反省とともに再考する試みでもある。

シンポジスト:加納実紀代さん、松本麻里さん、水島希さん
コーディネーター:荒木菜穂、西倉実季、福嶋由里子、堀江有里

個人研究発表・ワークショップ募集について

タイトルと発表の概要(200 字程度)・発表のカテゴリー(個人研究発表、パネル報告、ワークショップのいずれか)・発表時に使用する機材(希望にそえない場合もあります)を記載して3月30 日(金)24 時までに、ニュースレター担当の青山薫(kaoruAT[@マークに変えて送信]jca.apc.org)・西倉実季(mnishikuAT[@マークに変えて送信]mail.doshisha.ac.jp)までメールでお申し込みください。受信トラブルを避けるため、両名にお送り願います。

ワークショップは、参加者との協同作業でテーマを発展させていく取り組みであり、個人研究発表とは性格の異なるものです。原則として複数の発表者がひとつの分科会全体(2時間ていど)を担当していただきます。
個人研究発表はひとつの分科会で3、4人の方が発表をしていただきます。この組み合わせは通常応募状況によって幹事会で決め司会も幹事会から出しますが、あらかじめ共通テーマの方々3名以上が集まり、共同でパネル発表に応募していただくことも可能です。その場合、公平な各発表時間の配分と質問の時間を十分とることにご留意いただき、テーマ、時間配分、司会者などを申込者が決めてからご応募ください。

以上

 

◆同じテーマで、プレ研究会を行います。ぜひご参加ください。

日時:2012年3月31日(土) 11時〜13時
場所:大正大学1号館2階大会議室
所在地:東京都豊島区西巣鴨3-20-1
・都営地下鉄三田線 西巣鴨駅下車 徒歩2分
・埼京線 板橋駅東口下車 徒歩10分
・都電荒川線 新庚申塚駅又は庚申塚駅下車 徒歩7分
詳しいアクセスは、大正大学 アクセスマップ をご覧ください。