「『社会を動かす女性学』プレ研究会」報告

2010年6月開催の大会シンポ『社会を動かす女性学』のプレ研究会を、3月19日11時〜13時に、ピープルズ・プラン研究所にて開催。シンポジストの江原由美子さん、内藤和美さん、赤羽佳代子さん、荒木菜穂さんの4名より報告があり、報告者以外に15名が参加しました。
江原報告は、70年代以降の女性学・ジェンダー研究のあゆみを振り返り、現在のバックラッシュへの抵抗可能性を提起。日々の生活に不安を感じる人たちにフェミニズムはいかなる貢献ができるかと問題提起があり、また、女性学、フェミニズム、ジェンダー研究等、言葉の不統一の問題も指摘されました。
内藤報告は、高等教育での女性学・ジェンダー研究の実態分析、体系的知の形成や高等教育における主流化に向けての課題を報告。また、研究者と政策・行政とのかかわり、女性/共同参画センターの制度整備への女性学の貢献可能性が、問題提起されました。
赤羽報告は、労働運動にかかわってきたご自身がいかに女性学と接点を持ったのか、女性学の魅力と女性学の現状への批判を述べ、社会を変える際のアカデミズムの言語の有効性と分かりにくさにも言及しました。
荒木報告は、多様な女性が存在するにもかかわらず「女性」カテゴリーを設定する意味や、これまで女性学がどのような自他の関係性を目指してきたかを検討。他者への応答責任や相互承認にもとづく、社会変革に有用な関係性を模索する重要性を指摘しました。

(研究会担当幹事)