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ニュースレターNo.161発行しました

目次

2024年度日本女性学会大会報告

シンポジウム        コーディネィター:牟田和恵、内藤和美

本シンポジウムは、女性学の継承の必然性と困難を共にひしひしと感じる中で発意された。多様な学問分野/テーマについてジェンダーに関する研究が行われるようになったいま、女性差別に抗し、女性としての経験からの理論化を試みる「女性学」は “ 狭い ” のか?意義を失いつつあるのか?女性学が創出したと言える鍵概念「ジェンダー」の広がり/展開/深化は、女性差別や女性カテゴリーの問題を後景化させ、それらと対するうえで新たな困難を生んでいるかもしれず、だが逆に新たな可能性を生んでいるかもしれない—これらを問うて、シンポジウムでは、女性学のパイオニア世代の上野千鶴子会員とつづく世代の佐藤文香会員に発題いただき、加藤秀一さん(フェミニズム・ジェンダー・生命倫理学)・古川直子さん(ジェンダー/    セクシュア    リティ研究、精神分析理論)に討論いただいた。

上野会員は「女性学を創る〜世代間継承へ向けて〜」と題し、日本の女性学の誕生と故井上輝子会員による定義の意味、制度化・アカデミズム化の過程、展開とくに「ジェンダー研究」への展開過程を辿った上、女性学の達成と課題を提起した。課題の指摘は、「女性」という集合的アイデンティティ自体、女性としての「経験」の重層性・多様性から、知の再生産システムに組み込まれることの功罪、ジェンダー概念の “ 標準化 ” 等々多岐にわたった。

佐藤会員は、「女性学とジェンダー研究の間—何が異なり、なぜすれ違うのか」と題し、女性学とジェンダー研究の関係の認識の違い等、 「女性学創設世代」と「ポストジェンダー研究制度化世代」のディスコミュニケーション、すなわち継承の困難の根本は、ジェンダー概念が、ジェンダー/セックス二元論の第 2 パラダイムから、二元論パラダイムからの解放(ジェンダー/セックスの区別の廃棄)を標榜する第 3 パラダイムへと移行したことにあると指摘した。そのうえで、世代間ギャップを架橋する、4 通りの解放への道筋を提示した。

「女性学の継承」の課題化のしかたが異なるお 2 人の発題を受け、加藤氏は、ジェンダー概念をどう使うかと、社会運動とフェミニズムについて見解を述べた。同じく古川氏は、①第 2 パラダイム:階層秩序(権力関係)としてのジェンダー概念と、第 3 パラダイム:性別二元論批判、2 つの視点は両立するのか?、②ジェンダーへの自由とジェンダーからの自由は同時に実現するか?の 2 点を両発題者に問うた。

これらへのリプライと対話、そして会場討論を通じて、女性学の継承を論じることの、生産的でありつつ困難を知るシンポジウムとなった。

詳細は、ニュースレター162号をクリックしてください。

シンポジウム参加者から、パネル報告、ワークショップ報告もあります。

お知らせ

 日本女性学会 2024 年大会において開催された分科会について、発言や運営に問題があったとの指摘、批判がありました。これをうけ、幹事会では、幹事に外部委員を加えた調査ワーキンググループを設置し、指摘された事実の存否を確認し、具体的な問題について調査をいたしましたので、その結果を公開いたします。詳細は、ニュースレター162号をクリックしてください。

少額活動支援

2024 年度の少額研究活動支援は、6 月の総会で、次の 2 つの研究に対して行なわれることが決まりました。

児玉谷レミ:自衛隊広報のジェンダー分析、

楊雅韻:「医薬品」から「化粧品」へ  ―「化粧品」業界とジェンダー

次回大会お知らせ

【1】2025 年度日本女性学会大会は、2025 年 6 月 7 日(土)、8 日(日)に立教大学池袋キャンパスで実施いたします。

会場:立教大学池袋キャンパス(対面)

大会日程(予定):6 月 7 日(土) ・14:00 〜 17:30  大会シンポジウム

・18:00 〜  懇親会

6 月 8 日(日) ・9:30 〜 15:30  分科会

・16:00 〜  総会

【2】大会における個人研究発表・パネル報告・ワークショップを、下記の要領で募集いたします。

<個人研究発表・パネル報告・ワークショップ募集について>

  • 締め切り:4 月 13 日(日)24 時
  • 応募資格:申込時に入会の申し込みを完了していること
  • 応募方法:カテゴリー(個人研究発表、パネル報告、ワークショップ)ごとに、下記のフォームに必要事項をご記入の上、ご応募ください。

個人発表  https://forms.gle/e8tSdNaFXQDQXaNw9 パネル報告 https://forms.gle/p29QBe2RETBWnQnd8

ワークショップ  https://forms.gle/vWZpigNK7dkhoyEu6

URL で入力ができない場合、事務局にご連絡ください。日本女性学会  事務局  jyoseigakkai-info(アットマーク)genj.jp

・個人研究発表:発表タイトル、発表者名(所属)、要旨(300 字以上 400 字以下)

・パネル報告:パネルタイトル、コーディネーター名(所属)、各発表者名(所属)、各発表タイトル、各要旨 (300 字以上 400 字以下)、司会者名(所属)

・ワークショップ:テーマ、コーディネーター名(所属)、各発表者名(所属)、概要(300 字以上 400 字以下)

  • すべての個人研究発表、パネル報告、ワークショップは、「学会活動の自由と公正のための宣言」のもとで行われます。
  • 個人研究発表は、ひとつの分科会で、複数の方に発表していただきます。発表の組み合わせ等は幹事会で決定します。
  • パネル報告は、共通するテーマの 3 件以上の研究発表で構成してください。公平な時間配分と十分な質疑時間の確保にご留意ください。
  • ワークショップは、参加者との共同作業でテーマを発展させていく取り組みで、研究発表とは性格の異なるものです。原則として複数の発表者が分科会全体(2 時間程度)を担当していただきます。
  • 発表者、コーディネーター、司会は会員に限ります。応募の際にご確認ください。非会員の方は応募時にご入会ください。
  • 個人研究発表・パネル報告・ワークショップをされる方で、学生、院生、OD 等、常勤職についていない方には、学会より旅費の補助を行います(総額 10 万円を人数と距離に応じて配分しますので、補助金額は未定です)。希望される方は、報告申込の際に、その旨記載ください。

 

会員の著書紹介

矢内琴江著『性差別を克服する実践のコミュニティ』明石書店、2024  年

*久木田絹代著『中学生が綴る労働と  DV―語る・聴く・交流が生み出すエンパワーメント』労働教育センター、 2024 年

*岩淵宏子著『女性表象とフェミニズム−日本近現代女性文学を読む』翰林書房、2024  年

*小山美沙子『詩集  原始星』一粒書房、2024 年

*江原由美子編著『ジェンダーと平等』ミネルヴァ書房、2024 年

*岩淵宏子他著『現代女性文学論』翰林書房、2024 年

*有元伸子他編『文学をひらく鍵〜ジェンダーから読む日本近代文学〜』鼎書房、2024  年

*宮津多美子著『異文化コミュニケーション入門―ことばと文化の共感力』勁草書房、2024  年

 

会費納入のお願い

2023年度までの会費が未納の方は、どうぞお早めにお支払いください。会費納入のお願いと払込用紙はすでに送付しております。払込用紙をなくされた方は、郵便局備え付けの払込用紙をご利用のうえ、下記の納入先までお振込みください。

ゆうちょ銀行 振替口座

口座記号番号 00890-6-31306

加入者名 日本女性学会

ネットバンキングでも納入できます。

ゆうちょ銀行 支店名:089(ゼロハチキユウ) 預金種目:当座 口座番号:0031306

日本女性学会の会費は年収スライド制(自己申告・税込み・該当年度予定収入)をとっております。

・400万円未満(無職・学生含む):6,000円

・400〜600万円未満:8,000円

・600万円以上:10,000円

3年以上会費を滞納されている方は退会とみなされます(日本女性学会幹事改選選挙実施規定第4条(3))。複数年滞納されている方は、過不足なくお支払いいただくためにもご自身の納入状況を事務局にご確認のうえ、どうか早急にお支払いください。

学会の運営は会員のみなさんの会費によって成り立っております。重ねてのご協力をお願いいたします。

永年会員制度をご活用ください

2021年度から永年会員制度が開始されました。前年度までの会費を納めている65歳以上の会員は、前年度会費額の3ヵ年分の納入によって会費完納とし、永年会員となることができます。振り込み時に「永年会費」とお書きください。65歳以上の会員の皆さま、どうぞご活用ください。

詳細なニュースはこちらです(pdfファイルが開きます)→news162会員版

2025年度日本女性学会大会 発表受付開始のお知らせ

2025年度日本女性学会大会は、2025年6月7日(土)、8日(日)に立教大学池袋キャンパスで実施いたします。シンポジウム等についてはまた追ってお知らせします。

プログラム(予定)

6月7日(土)

・14:00~17:30 大会シンポジウム

・18:00~ 懇親会

6月8日(日)

・9:30~15:30 分科会

・16:00~ 総会

また大会における個人研究発表・パネル報告・ワークショップを、下記の要領で募集いたします。

<個人研究発表・パネル報告・ワークショップ募集>

  • 締め切り:4月13日(日)24時
  • 応募資格:申込時に入会の申し込みを完了していること
  • 応募方法:カテゴリー(個人研究発表、パネル報告、ワークショップ)ごとに、下記をクリックして表示されるフォームに必要事項をご記入の上、ご応募ください。

個人発表 個人研究発表:発表タイトル、発表者名(所属)、要旨(300字以上400字以下)

パネル報告 パネル報告:パネルタイトル、コーディネーター名(所属)、各発表者名(所属)、各発表タイトル、各要旨 (300字以上 400字以下)、司会者名(所属)

ワークショップ ワークショップ:テーマ、コーディネーター名(所属)、各発表者名(所属)、概要(300 字以上 400字以下)

URL で入力ができない場合、事務局にご連絡ください。事務局は、jyoseigakkai-info(アットマーク)genj.jp です。

 

すべての個人研究発表、パネル報告、ワークショップは、「学会活動の自由と公正のための宣言」のもとで行われます。

個人研究発表は、ひとつの分科会で、複数の方に発表していただきます。発表の組み合わせ等は幹事会で決定します。

パネル報告は、共通するテーマの3件以上の研究発表で構成してください。公平な時間配分と十分な質疑時間の確保にご留意ください。

ワークショップは、参加者との共同作業でテーマを発展させていく取り組みで、研究発表とは性格の異なるものです。原則として複数の発表者が分科会全体(2時間程度)を担当していただきます。

発表者、コーディネーター、司会は会員に限ります。応募の際にご確認ください。非会員の方は応募時にご入会ください。

個人研究発表・パネル報告・ワークショップをされる方で、学生、院生、OD等、常勤職についていない方には、学会より旅費の補助を行います(総額10 万円を人数と距離等を勘案して配分しますので、補助金額は未定です)。 希望される方は、報告申込の際に、その旨記載ください。

お知らせ

日本女性学会2024年大会において開催された分科会について、発言や運営に問題があったとの指摘、批判がありました。これをうけ、幹事会では、幹事に外部委員を加えた調査ワーキンググループを設置し、指摘された事実の存否を確認し、具体的な問題について調査をいたしましたので、その結果を公開いたします。 日本女性学会は今回の指摘、批判を真摯に受け止め、「学会活動の自由と公正のための宣言」(2006年6月10日、日本女性学会総会において採択)にもとづいて、大会を含めた学会運営の改善を検討してまいります。

2025年2月21日 日本女性学会23期幹事会

調査報告書

2025年度 「少額研究活動支援」対象者募集のお知らせ

日本女性学会2025年度
「少額研究活動支援」対象者募集のお知らせ
日本女性学会では、「少額研究活動支援」により、常勤ないし正規雇用契約をもたず、研究財源の確保に困 難をかかえている会員の研究活動を支援しています。下記の通り、2025年度の支給対象者を募集します。ささやかな活動ですが、ぜひ活用ください。

内 容 対象者の日本女性学会の趣旨に沿った活動に対し、1 人あたり 3 万円の研究活動支援金を支給する。
対 象 2025 年 4 月 1 日以降に常勤ないし正規雇用契約をもたない会員 10 名
応募要件
(1)前年度までの会費が納入されていること
(2)日本女性学会会員の会費区分 6,000円の者
(3)常勤ないし正規雇用契約下にないこと
(4)日本学術振興会特別研究員でないこと
ただし、本研究活動支援金の支給は一人あたり 3 回までとする。

応募方法 日本女性学会ウェブサイトに備える応募用紙により日本女性学会事務局宛郵送
応募締切 2025 年 4月 20 日(日)着分まで
詳細および応募用紙 日本女性学会ウェブサイト「少額研究助成実施要項」のページ

*なお、報告書の〆切は 2026年 6 月末です。提出された報告書はホームページに掲載します。

お知らせ

2024年度日本女性学会大会の分科会において、発言や運営に問題があったとの指摘、批判がありました。これをうけ、現在、幹事会では対応を検討しているところです。結果については、追って公表いたします。

2024年7月14日
日本女性学会22期・23期幹事会

ニュースレターNo.161発行しました

ニュース目次

2024 年度日本女性学会大会プログラム
2024 年度日本女性学会大会
大会事務局から
シンポジウム
総会案内
分科会(個人研究発表・パネル報告・ワークショップ)
会員の著書紹介
会員の著書紹介募集のお知らせ
会費納入のお願い
大会会場アクセス

—–

2024 年度日本女性学会大会
シンポジウムテーマ:女性学を継承する
日程:2024年6 月8 日(土)、9 日(日)
会場:武蔵大学江古田キャンパス1 号館(正門入ってすぐ左手)
( 東京都練馬区豊玉上1 - 26 - 1)
参加費:会員500 円/非会員1,000 円

プログラム
第1 日 6 月8 日(土)
12:00 〜 受付開始
13:00 〜16:30  シンポジウム
17:00 〜18:00  総会
18:30 〜19:30  懇親会

第2日 6月9日(日)
09:30 〜 12:00  個人研究発表、パネル報告、ワークショップ
13:00 〜 15:30  個人研究発表、パネル報告

 

ニュースはこちらです(pdfファイルが開きます)→ news161Web_修正版
*修正版を掲載しています(2024. 5. 18)

 

 

 

 

メールニュース再開のお知らせ

会員の皆様

2月に入ってからメールニュースの配信時に大量のエラーが起こるようになり、2月15日以降、メールニュースの配信を停止しておりました。
調査の結果、原因が判明し、対応策が得られましたので、メールニュースの配信を3月から再開いています。
この間、会員のみなさまにはたいへんご不便をおかけいたしました。

メールニュースが届かない場合、メールでmail-news@joseigakkai-jp.org まで連絡してくださいますようお願いいたします。その場合、必ず「メールニュースを受信したいメールアドレスから」連絡してください。よろしくお願いいたします。

日本スポーツ社会学会 第33回大会のお知らせ

日本女性学会のメールニュースの調子がよくないため、こちらのほうで告知させていただきます。

以下、ご関心のあるかたはお申し込みください。

 

日本スポーツ社会学会 第33回大会
1. 開催期間
2024年3月16日(土)・17日(日)

2. 会  場
日本大学スポーツ科学部三軒茶屋キャンパス
東京都世田谷区下馬3-34-1

3. 主  催
日本スポーツ社会学会 http://www.jsss.jp/

第33回大会ホームページ
https://spsociology.org/

4.参加費(当日)
非会員・一般 7,000円
非会員・学生 4,000円
:3月15日までの申し込みでそれぞれ1,000円引き

5.スケジュール
3月16日(土)
9:30-11:00 学生企画シンポジウム「研究者の当事者性とカテゴリーを取り扱うことの難しさ」
● 基調報告者
星加 良司 (東京大学大学院教育学研究科)
● 指定討論者
水野 英莉 (流通科学大学人間社会学部)
●担 当:学生フォーラム世話人
村下慣一 立命館大学大学院、髙田侑子 順天堂大学大学院、堀田文郎 立教大学大学院
13:10-14:10 一般発表
14:50-17:20 研究委員会シンポジウム「『新しい声』を聞き届けるために考えるべきこと―スポーツにおける男性性問題のこれから―」
●登壇者
河野 真太郎 (専修大学)
武田 砂鉄 (批評家、フリーライター)
片岡 栄美 (駒澤大学)
● ディスカッサント
竹﨑 一真 (明治大学)
● 司 会
溝口 紀子(日本女子体育大学)

3月17日(日)
9:00-12:00 一般発表
13:00-15:00 実行委員会シンポジウム「『語って』ばかりのスポーツ研究から脱するために」
● 登壇者及び発表タイトル
堀田 文郎(立教大学大学院)鍛える身体と考える身体―ボディビルダーとしての身体的経験から
田巻 以津香(東海大学)ゆらぐ身体が紡ぐ場―ダンス教室の実践から
山本 敦久(成城大学)誰(何)がスポーツをするのか?―機械と身体のイントラアクション(intra-action)
● 司 会
石岡 丈昇(日本大学)
15:10-16:40 一般発表
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