2016年度大会予告
詳しくはニュースレターNo.136[pdf]をご覧ください。
会場::明治学院大学 白金キャンパス
東京都港区白金台 1-2-37
- 地下鉄「白金台」駅(2番出口)より徒歩7分
- 地下鉄「白金高輪」駅(1番出口)より徒歩約7分
- 地下鉄「高輪台」駅(A2出口)より徒歩約7分
- 宿泊は各自で手配して下さい
詳しいアクセスは http://www.meijigakuin.ac.jp/access/をご覧ください。
プログラム
第1日 6月18日(土)
13:00~16:30(予定) 大会シンポジウム、その後総会、懇親会
第2日 6月19日(日)
9:30~15:00(予定、昼食休憩を1時間ほど含みます) 個人研究発表、ワークショップ
2016年大会シンポ趣旨
「女性活躍推進法」時代の女性学・ジェンダー研究
シンポジスト:清末愛砂さん、杉田真衣さん、中野円佳さん
進行:古久保さくら、内藤和美
趣旨説明
女性差別撤廃条約批准から 30 年以上が過ぎ、男女共 同参画社会基本法の制定から 15 年以上が経過した。今年 4 月からは「女性活躍推進法」が施行される。
この 30 年間の間に、女性の労働力率は上昇し続けた が、同時に女性の中での格差は拡大し、男性並みの社会 的成功を達成する一部の女性が微増する一方、非正規雇 用の女性の割合は女性労働者の 56.7%に上り、貧困の 女性化/女性の貧困化がすすんでいる状況にもある 。
女性学 ・ ジェンダー研究は、ケア役割 ・ 再生産労働負 担の女性への偏在が、ジェンダー平等社会を実現するために桎梏となっていることを強調してきた。現在でもなお、子どもを生み育てながら職業生活を持続することは難しく、管理的職業地位にある女性の非婚率・出生率は低迷したままであり、仕事と家庭の両立の困難が相変わ らず続いている。また、非正規雇用に従事する女性にとっての学歴機能は、正規雇用に従事する女性にとっての学歴機能と比べて格段に小さく、非正規という雇用形態が不当なまでに低賃金の温床となっている現状がある。すなわち、一方では女性間格差は学歴によって生じがちではあるが、その一方で同じ学歴であろうとも雇用形態によって経済的格差・分断が拡大する状況にある。
今年度の学会シンポジウムでは、このような女性間格差が拡大するなかで、「エリート」女性の抱える困難」 と、「ノンエリート」女性の抱える困難の、両方をふまえながら、共通の社会的問題がどこにあるのか、を考えたい 。
シンポジストに、競争的企業での就労継続を目指す高学歴女性の仕事と子育てとの両立をめぐる個々人の戦略 から、企業社会においてやる気のある女性が「パージされやすい構造があることを明らかにした中野円佳さん と、高卒女性の卒業してからの 12 年間を丹念に追い続 け、定位家族が「ノンエリート」若年女性にとって資源 となる以上に足枷となっており、むしろ生殖家族を築く ことが困難になっている現状をしめし、非正規雇用の継 続により生き延びるためにゆるやかな女性同士のネット ワークを大事している姿を明らかにした杉田真衣さんをお招きし、多様な女性にとっての現状の社会における「労働」「家族」「ケア」の現実を確認したい 。
「女性活躍推進法」は、上記のような女性たちの状況」 に何をもたらすのか、また、現行政策状況全体の中で女 性活躍推進政策がもつ意味について、清末愛砂さんに解読していただく。
現政権が進めようとする「一億総活躍社会」施策にお ける「社会観」「人材観」「家族観」を批判的に検討しつ つ、ジェンダー平等社会の実現のために、「女性活躍推 進法」時代の女性学 ・ ジェンダー研究は何をするべきなのか、課題と可能性を考えてみたい。