書籍ご案内
日本女性学会・ジェンダー研究会編
『男女共同参画/ジェンダーフリー・バッシング−バックラッシュへの徹底反論』
近年、男女共同参画やジェンダーフリー、性教育などが批判されています。「バックラッシュ」や「バッシング」と呼ばれるこれらの批判は政府やメディアに影響を与え、ジェンダー/ジェンダーフリーへの言葉狩り、性教育の内容への介入などが起こっています。このような状況の中で行政担当者・教育関係者や、これまでさまざまな場で男女共同参画/ジェンダーフリーにかかわってきた人々は、まっすぐにものが言えないようになってきています。
そこで、日本女性学会内部にできたジェンダー研究会では、男女平等やジェンダーに関わる問題や質問にわかりやすく答え、バックラッシュ派に反論していくために本書を企画しました。執筆者は、主にジェンダー研究会に参加した研究者です。私たちは、多くの人に男女共同参画/ジェンダーフリーについて正しく知ってもらうこと、そして、バックラッシュ派のうそやごまかしにだまされず、みんなが堂々と自分の思いや意見を言える社会を作っていくことを願っています。
ジェンダーの定義や男女平等、男女共同参画社会をめぐっては、専門家の間でも多様な見解があります。したがって、本書は、執筆者全員の意見が完全に一致して書かれているわけではありませんし、日本女性学会の統一見解が示されているわけでもありません。執筆者は、担当した項目を自分の意見で書いています。執筆者共通の基本的な視点は、性差別のない、ジェンダー平等が実現される社会、多様な人々が多様なままで認められ、生きていける社会を作ろうという願いです。
本書の構成は、各質問に答えていくQ&A形式を中心としていますので、どこからでも読むことができます。また、最初に「ジェンダー」に関する基本的なスタンスをまとめましたから、適宜参照してください。Q&Aの後ろには、ジェンダー関連用語の基本的意味やバックラッシュの背景、政府の「ジェンダー」及び「ジェンダーフリー」に対する見解、参考文献、資料などを掲載しました。参考にしてください。