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2019年大会予定が決まりました

2019年度大会は、以下のような日程、会場で行うことが決まりました。
皆様ご予定ください。

日程:
▪1日目 6月15 日(土)13 時30 分~ 16 時30 分(予定) 大会シンポジウム、その後総会、懇親会
▪2日目 6月16 日(日)9時30 分~ 15 時(予定 昼食休憩を1時間ほど含みます) 個人研究発表、ワークショップ、パネル報告

会場:一橋大学 国立キャンパス

2018年度 大会予告 (2018. 06)

2018年度大会予告

詳しくは 日本女性学会ニュースレター 第143号[pdf]をご覧ください。

会場:武蔵大学 江古田キャンパス
(交通アクセスはこちら


プログラム

第1日 2018年6月2日(土)

13:00~16:30 大会シンポジウム、その後総会、懇親会

第2日 2018年6月3日(日)

9:30~15:00(昼食休憩を1時間ほど含みます) 個人研究発表、ワークショップ


2018年大会シンポ趣旨

ダイバーシティ推進政策とジェンダー/セクシュアリティの政治

―「LGBT主流化」をめぐって―

シンポジスト: 清水晶子さん、釜野さおりさん、黒岩裕市さん
コーディネーター: 堀江有里、伊藤淑子

趣旨説明

近年、ダイバーシティ推進の動きとして、女性の社会的活用や性的マイノリティの存在の可視化が進みつつある。一方では、地方自治体による同性パートナーシップ証明の発行をはじめ、性の多様性の称揚は急速に広がりつつある。他方では「女性活躍推進法」(2016 年4 月施行)など、女性の社会進出が順調に進められ、さらに推進されているかのような演出もされている。フェミニズムは、「女性の社会的活用」については、政府による私的領域への介入や管理に対する警戒や危惧を表明してきた。しかし、性的マイノリティの可視化とダイバーシティ推進については、ただ“良いこと” として認識する傾向がなかっただろうか。これは、ジェンダーとセクシュアリティをめぐるフェミニズムの政治(ポリティクス)がなかなか連関することなくそれぞれ別個のものであるかのように認識され、分断と緊張を生み出してきたこととも無関係ではあるまい。しかし、現在、これらのダイバーシティ推進が、これまで主流社会において蔑ろにされてきた女性や性的マイノリティの存在の可視化というメリットと同時に、国家を支える基礎ユニットとしての「家族」を措定し、その成員に相互扶助を求めるような、自民党憲法草案24 条「改正」案と並行して提示されていることも忘れるべきではない。このような家族主義的な政策傾向は、男性中心主義を支える異性愛主義という社会規範をより一層不可視化する状況を生み出してもいる。

このような現状を踏まえ、今回のシンポジウムでは、フェミニズムを理論的・実践的に思考されてきた3人を登壇者として迎える。清水晶子さん(フェミニズム理論、クィア理論)には、ダイバーシティ推進政策のなかで、とくに可視性の政治をめぐる陥穽についての英語圏での議論を中心にした理論的考察を紹介していただく。釜野さおりさん(家族社会学)には、性的指向・性自認をめぐる全国調査等のデータを分析することから、ダイバーシティが推進されつつも、人びとの意識のなかに男性中心主義や異性愛主義が根強く存在していることを提示していただく。黒岩裕市さん(日本文学)には、多様な生き方や性のあり方を肯定的に描く近年の文学作品を読みなおすことで、ダイバーシティ推進政策の中で見えにくくなっている問題に光を当てていただく。

今回のシンポジウムでは、社会学・文学・文化理論など学際的に提示されるこれらのリソースから、つぎのような問いをともに考えてみたい。フェミニズムはダイバーシティ推進政策が生み出される状況といかに向き合うべきなのか。さまざまな分断が生み出される現状を踏まえ、女性たちのあいだにある差異を認識しつつ、フェミニズムの政治を構想することは可能なのだろうか。すでにダイバーシティ推進政策の両義性をめぐってはさまざまな場で議論されてきているが、日本女性学会においても、ジェンダーとセクシュアリティの課題を不可分なものとしてとらえる共闘の今日的な意義を探ることとしたい。

2017年度 大会予告 (2017. 06)

2017年度大会予告

詳しくは 日本女性学会ニュースレター 第140号[pdf]をご覧ください。

会場:中京大学 名古屋キャンパス


プログラム

第1日 6月17日(土)

13:00~16:30 大会シンポジウム、その後総会、懇親会

第2日 6月18日(日)

9:30~15:00(昼食休憩を1時間ほど含みます) 個人研究発表、ワークショップ


2017年大会シンポ趣旨

暴力・家族をめぐる政策の展開と社会的変容

―ジェンダーの視点から―

シンポジスト: 北仲千里さん、遠藤智子さん、千田有紀さん
進行: 戒能民江さん

趣旨説明

1980 年代後半以降、不十分ながら、日本でもセクハラ、DV、性暴力問題への取り組みが行われ、法律制定に 伴う体制が整備されたことで、状況の改善や、人々の認識や態度の変容をもたらした側面もみられる。しかしその一方で、DV、セクハラ、性暴力対策の内実は極めて不十分であり、グローバルなスタンダードからは、かなり遅れていると言わざるを得ない。日本ではむしろ、「DV 冤罪」論などのバックラッシュが国会などではかなり影響力を持っており、抜本的な問題解決が難しい状況にある。

他方、1907 年に定められた時代遅れの日本の刑法性犯罪規定が、100 年の時を経て、ようやく改正されようとしている。今回の刑法改正では、強姦罪の「暴行脅迫」要件の緩和など、ジェンダーやセクシュアリティをめぐる重要な論点については改正に含まれず、残念ながら、不十分な改正にとどまる見通しである。また、刑法改 正と車の両輪をなすべき、「性暴力被害者支援法」制定の動きも不透明である。

さらに、「DV 冤罪論」バックラッシュと同根のところから発している、別居・離婚後の親子の面会交流を強制しようという動きや、国が企業や大学に婚活をさせようという政策の提示、さらには、旧い家族関係を復活させ、 個人の権利を否定しようというような憲法改正の動きがみられる。いずれも、本来、課題の解決のために必要な対策の実現という視点に欠けるだけではなく、この間、築きあげられてきた一定の成果への影響が危惧される。 そこで、今回のシンポジウムでは、このような動きがどのような問題をかかえているのか、その社会的背景を 含めて、3つの報告を通じて議論を深めていきたい。

1.日本の DV や性暴力に関して、どのような「ポジティブな到達点」があるのか、そして、現状の課題は何か、 法制度や政策についても触れるが、法学的な議論というよりは、社会全体の変化をも視野に入れて、検討する。

2.いわゆる「抵抗勢力」の法制定を目指す動きの特徴と背景について、分析する。

3.「面会交流強制法」の動きなどに絡んだ、家族をめぐる議論を中心に、SNS 上のバックラッシュなどについても考察する。

報告者として、まず、DV やセクハラ、性暴力問題について社会学の立場から研究に取り組むとともに、被害者支援の現場で実践を積み重ねてきた北仲千里さんに、日本の性暴力や DV 政策の到達点および、新たな動向の社会的意味について報告していただく。次に、DV 法改正など、長らくロビー活動で中心的役割を担ってきた遠藤智子さんから、いわゆる「抵抗勢力」と政策形成との関連について、ご報告いただく。最後に、家族社会学の観点からの調査研究を踏まえて、最近の立法動向に特徴的な家族をめぐる議論について、千田有紀さんにお話しいただく。

日本女性学会2017年大会シンポジウムチラシ [pdf]

2016年度大会予告(2016.04)

2016年度大会予告

詳しくはニュースレターNo.136[pdf]をご覧ください。

会場::明治学院大学 白金キャンパス

東京都港区白金台 1-2-37

  • 地下鉄「白金台」駅(2番出口)より徒歩7分
  • 地下鉄「白金高輪」駅(1番出口)より徒歩約7分
  • 地下鉄「高輪台」駅(A2出口)より徒歩約7分
  • 宿泊は各自で手配して下さい

詳しいアクセスは http://www.meijigakuin.ac.jp/access/をご覧ください。


プログラム

第1日 6月18日(土)

13:00~16:30(予定) 大会シンポジウム、その後総会、懇親会

第2日 6月19日(日)

9:30~15:00(予定、昼食休憩を1時間ほど含みます) 個人研究発表、ワークショップ


2016年大会シンポ趣旨

「女性活躍推進法」時代の女性学・ジェンダー研究

シンポジスト:清末愛砂さん、杉田真衣さん、中野円佳さん
進行:古久保さくら、内藤和美

趣旨説明

女性差別撤廃条約批准から 30 年以上が過ぎ、男女共 同参画社会基本法の制定から 15 年以上が経過した。今年 4 月からは「女性活躍推進法」が施行される。

この 30 年間の間に、女性の労働力率は上昇し続けた が、同時に女性の中での格差は拡大し、男性並みの社会 的成功を達成する一部の女性が微増する一方、非正規雇 用の女性の割合は女性労働者の 56.7%に上り、貧困の 女性化/女性の貧困化がすすんでいる状況にもある 。

女性学 ・ ジェンダー研究は、ケア役割 ・ 再生産労働負 担の女性への偏在が、ジェンダー平等社会を実現するために桎梏となっていることを強調してきた。現在でもなお、子どもを生み育てながら職業生活を持続することは難しく、管理的職業地位にある女性の非婚率・出生率は低迷したままであり、仕事と家庭の両立の困難が相変わ らず続いている。また、非正規雇用に従事する女性にとっての学歴機能は、正規雇用に従事する女性にとっての学歴機能と比べて格段に小さく、非正規という雇用形態が不当なまでに低賃金の温床となっている現状がある。すなわち、一方では女性間格差は学歴によって生じがちではあるが、その一方で同じ学歴であろうとも雇用形態によって経済的格差・分断が拡大する状況にある。

今年度の学会シンポジウムでは、このような女性間格差が拡大するなかで、「エリート」女性の抱える困難」 と、「ノンエリート」女性の抱える困難の、両方をふまえながら、共通の社会的問題がどこにあるのか、を考えたい 。

シンポジストに、競争的企業での就労継続を目指す高学歴女性の仕事と子育てとの両立をめぐる個々人の戦略 から、企業社会においてやる気のある女性が「パージされやすい構造があることを明らかにした中野円佳さん と、高卒女性の卒業してからの 12 年間を丹念に追い続 け、定位家族が「ノンエリート」若年女性にとって資源 となる以上に足枷となっており、むしろ生殖家族を築く ことが困難になっている現状をしめし、非正規雇用の継 続により生き延びるためにゆるやかな女性同士のネット ワークを大事している姿を明らかにした杉田真衣さんをお招きし、多様な女性にとっての現状の社会における「労働」「家族」「ケア」の現実を確認したい 。

「女性活躍推進法」は、上記のような女性たちの状況」 に何をもたらすのか、また、現行政策状況全体の中で女 性活躍推進政策がもつ意味について、清末愛砂さんに解読していただく。

現政権が進めようとする「一億総活躍社会」施策にお ける「社会観」「人材観」「家族観」を批判的に検討しつ つ、ジェンダー平等社会の実現のために、「女性活躍推 進法」時代の女性学 ・ ジェンダー研究は何をするべきなのか、課題と可能性を考えてみたい。

日本女性学会2016年大会シンポジウムチラシ[PDF]

2015年度大会予告(再掲)(2015.03)

2015年度大会予告

会場:京都市男女共同参画センター ウィングス京都
京都市中京区東洞院通六角下ル御射山町 262

  • 地下鉄「烏丸御池」駅(5番出口)より徒歩約5分
  • 地下鉄「四条」駅・阪急「烏丸」駅(20 番出口)より徒歩約5分
  • 宿泊は各自で手配して下さい。
    京都市中心部、「四条烏丸」もしくは「京都駅」周辺のホテルが便利です。
    詳しいアクセスは http://www.wings-kyoto.jp/about-wings/access/ をご覧ください。

大会シンポジウム:
スポーツにおける男性性の解体:〈周辺〉からの試み

大会日程:

5月 16 日(土)13 時〜 16 時 30 分(予定)
大会シンポジウム、その後総会、懇親会
5月 17 日(日)9時 30 分〜 15 時(予定 昼食休憩を一時間ほど含みます)
個人研究発表、ワークショップ


2015年大会シンポ趣旨

スポーツにおける男性性の解体:〈周辺〉からの試み

パネリスト:來田享子さん、風間孝さん、井谷惠子さん、亀井好恵さん
コーディネーター:合場敬子・堀江有里

趣旨説明

近年、スポーツ領域でのセクハラ問題や男女別カテゴリーで実施されているスポーツのあり方などに批判的な関心が集まっている。これは、スポーツが規範的な女性性や男性性、異性愛主義を再生産する強力な社会制度の一つであることに起因している。
近代スポーツは、よく知られているようにその誕生から男性性と強い結びつきを持ってきた。そのため、「男性性」とは異なる性質を持つべきであるとされた女性は、近代スポーツにおいては周辺におかれてきた。また男性同士の強いきずなが形成されてしまうスポーツでは、そのきずながセクシュアルなものではないことを強調するために、異性愛以外のセクシュアリティを抑圧してきた。
一方で、周辺化されてきた女性も多くの挑戦を通じて、近代スポーツに層として参加するようになってきた。女性のスポーツ参加状況を見てみると、年齢によって差異が認められる。20歳代以上の成人女性では、運動・スポーツを全くやらない層と積極的に参加する層に二極化していることが指摘されている。他方、学校期の女性では、小学3、4年生ごろから運動離れが始まり、高校で顕在化することが明らかになっている。このように、一般女性とスポーツは複雑な関係にあることが推察される。
シンポジウムでは、一般女性や性的マイノリティなどの、スポーツの領域で周辺化されてきた存在が、男性性と深く結びついてきた近代スポーツを、どのように変容させることができるのかを模索したい。さらに、近代スポーツ以外の身体活動もジェンダーとの結びつきを持っているものが多い。男性性を象徴する身体活動に女性が参加することで、男性性や女性性をどのように揺るがすことができるかについても併せて議論したい。

 

2015年度大会予告(2015.02)

 会場:京都市男女共同参画センター ウィングス京都

京都市中京区東洞院通六角下ル御射山町 262

  • 地下鉄「烏丸御池」駅(5番出口)より徒歩約5分
  • 地下鉄「四条」駅・阪急「烏丸」駅(20 番出口)より徒歩約5分
  • 宿泊は各自で手配して下さい。
    京都市中心部、「四条烏丸」もしくは「京都駅」周辺のホテルが便利です。
    詳しいアクセスは http://www.wings-kyoto.jp/about-wings/access/ をご覧ください。

大会シンポジウム:
スポーツにおける男性性の解体:〈周辺〉からの試み

大会日程:

5月 16 日(土)13 時〜 16 時 30 分(予定)
大会シンポジウム、その後総会、懇親会
5月 17 日(日)9時 30 分〜 15 時(予定 昼食休憩を一時間ほど含みます)
個人研究発表、ワークショップ


2015年大会シンポ趣旨

スポーツにおける男性性の解体:〈周辺〉からの試み

パネリスト:來田享子さん、風間孝さん、井谷惠子さん、亀井好恵さん
コーディネーター:合場敬子・堀江有里

趣旨説明

近年、スポーツ領域でのセクハラ問題や男女別カテゴリーで実施されているスポーツのあり方などに批判的な関心が集まっている。これは、スポーツが規範的な女性性や男性性、異性愛主義を再生産する強力な社会制度の一つであることに起因している。
近代スポーツは、よく知られているようにその誕生から男性性と強い結びつきを持ってきた。そのため、「男性性」とは異なる性質を持つべきであるとされた女性は、近代スポーツにおいては周辺におかれてきた。また男性同士の強いきずなが形成されてしまうスポーツでは、そのきずながセクシュアルなものではないことを強調するために、異性愛以外のセクシュアリティを抑圧してきた。
一方で、周辺化されてきた女性も多くの挑戦を通じて、近代スポーツに層として参加するようになってきた。女性のスポーツ参加状況を見てみると、年齢によって差異が認められる。20歳代以上の成人女性では、運動・スポーツを全くやらない層と積極的に参加する層に二極化していることが指摘されている。他方、学校期の女性では、小学3、4年生ごろから運動離れが始まり、高校で顕在化することが明らかになっている。このように、一般女性とスポーツは複雑な関係にあることが推察される。
シンポジウムでは、一般女性や性的マイノリティなどの、スポーツの領域で周辺化されてきた存在が、男性性と深く結びついてきた近代スポーツを、どのように変容させることができるのかを模索したい。さらに、近代スポーツ以外の身体活動もジェンダーとの結びつきを持っているものが多い。男性性を象徴する身体活動に女性が参加することで、男性性や女性性をどのように揺るがすことができるかについても併せて議論したい。