NewsLetter 第84号 2000年11月発行

日本女性学会NewsLetter

(*会員に送付しているペーパー版の「学会ニュース」とは内容が一部異なります)

女性学会ニュース第84号[PDF] 2000年11月発行


学会ニュース
日本女性学会 第84号 2000年11月

特集:シンポジウム「日本の学術とジェンダー」報告

来年度より文部省科学研究費時限付き特別分科細目「ジェンダー」が新設される運びとなり、これを記念して9月11日にシンポジウム「日本の学術とジェンダー」が開催されました。参加された内藤和美、上野千鶴子、村松泰子、江原由美子の各氏に報告、コメントを寄せていただきました。

日本学術会議社会学研究連絡委員会 主催・日本女性学会他共催
科学研究費補助金時限付き分科細目「ジェンダー」設定記念特別シンポジウム

◇日本の学術とジェンダー

内 藤 和 美

女性学・ジェンダー関係研究者の年来の念願が叶い、科学研究費補助金の分科細目に「ジェンダー」が新設されることになった。関係者のご尽力の賜物である。当面、2001年度より3年間の時限付きであり、これが時限を越えて恒常化するか否かは、ひとえに応募件数にかかっているという。
去る9月11日、分科細目「ジェンダー」の時限付き設定を記念し広くその意義を伝えるために、科学研究費補助金時限付き分科細目「ジェンダー」設定記念特別シンポジウム「日本の学術とジェンダー」が開催された。主催は日本学術会議社会学研究連絡委員会、日本女性学会を含む6団体の共催、そのほか7学・協会の協賛により、100人を越える参加者を得てもたれた密度濃い時間であった。司会は、本学会幹事で日本学術会議社会学研究連絡委員会委員の上野千鶴子さんが務められ、内容は以下のようであった。

〈第1部 — 報告〉

1)挨拶および第1報告:「文部省の科学研究費配分政策とジェンダー:
分科細目「ジェンダー」が設定されるまで」
塩原 勉(日本学術会議会員、社会学研連委員、甲南女子大学学長)
2)第2報告「科研費分科細目「ジェンダー」設定の意義と効果」
大澤真理(東京大学教授)
3)第3報告「学術会議の男女共同参画へ向けて」
原ひろ子(日本学術会議第1部会副部長、文化人類学・民俗学研連委員、放送大学教授)

〈第2部 — 討論〉

科研費申請なんでもQ&A

討論者:村松泰子(東京学芸大学教授)
柏木恵子(白百合女子大教授)

塩原さんは、科学研究費の趣旨・方針と、昨年度行われた制度改革、現下の課題、学術会議とくに研究連絡委員会における分科細目「ジェンダー」設定実現までの経緯を話され、また、「ジェンダー」は領域ではなくcross-road keywordであると私見を述べられた。
大沢さんは、分科細目設定を学界における“gender concern”の拡がり、あるいは制度化のひとつの節目と位置づけられ、ジェンダーで学位(Ph.D)が出るかということを今後の一課題に挙げられた。
原さんは、ご自身がその中心的担い手であられつづけた、これまで10年余の、日本学術会議における男女平等への取り組みを、学術会議が折々の総会で決議してきた声明,要望等を辿りながら話された。
第2部は、柏木さん、村松さんに原さんも加われての、申請へ向けての具体的なQ&Aであった。採択される研究とは、丁寧に具体的に練り込まれた、そしてあらゆる面で実現可能性のある研究計画であること、研究代表者が大学等と研究機関の常勤職に限られることへの対策など、実に具体的な情報交換だった。「ジェンダー」の設定が、科目新設にとどまらない意味をもっていることを感じた2時間半であった。

◇文部省科研費期限付き特別分科細目「ジェンダー」設定記念シンポジウムの報告

上 野 千鶴子

さる9月11日(月)18:00〜20:30にわたって日本学術会議大会議室で、文部省科研費期限付き特別分科細目「ジェンダー」設定を記念して、学術会議社会学研究連合委員会の主催による「日本の学術とジェンダー」と題するシンポジウムが行われました。共催団体に日本学術会議文化人類学・民俗学研究連絡委員会、日本学術会議歴史学研究連絡委員会、日本女性学会、日本家族社会学会、比較家族史学会、日本家庭科教育学会、さらに協賛団体に国際女性の地位協会、女性学研究会、国際女性学会、日本女性学研究会、日本家政学会家族関係部会および同生活経営学部会、女性科学研究者の環境改善に関する懇談会(JAICOWS) を得て、100名以上の参加者とともに活発な質疑応答が行われました。以下は、シンポジウムの趣旨説明です。
「近年、社会科学のあらゆる分野にわたって、女性学・ジェンダー研究のアプローチがめざましい増加を見せています。このたび関係者のご尽力によって、ながらく女性学・ジェンダー研究者の念願であった科研費の新しい分科細目「ジェンダー」が、今年度から実現されるにいたりました。とりあえず3年間の時限付きですが、これが時限を超えて恒常化するかどうかは、ジェンダー関係の研究者がどの程度熱意をもって科研費に応募するかにかかっています。科研費分科細目「ジェンダー」の新設を記念し、多くのジェンダー関係の研究者に広くその意義をお伝えするために、次の特別シンポジウムを開催いたします。」

設定までの経緯

科研費分科細目「ジェンダー」が設定されるまでには、多くの人々の努力が背後にあります。1989年に「文部省科学技術研究費補助金系・部・分科・細目に女性学を加える会」(代表・原ひろ子)から分科細目検討委員会文学小委員会幹事、中根千枝さんあてに「要望書」を提出。多くの女性学研究者の運動が実って、1999年7月 社会学研連から期限付き分科細目「ジェンダー」を優先順位1位で学術会議に提案することを決定。内部の検討を経て2000年7月「ジェンダー」採用が決定しました。

シンポジウムまでの経緯

2000年6月の社会学研連委員会で「ジェンダー」採用決定の見通しが研連委員長の綿貫譲治さんから報告あり。その場で女性学会の研連委員上野から、特別シンポの開催を提案。承認された。第17期研連委員の任期が9月半ばまでと決まっていたことから、委員の任期中に日程を組むことと、科研費の締め切りが 11月28日なのでそれまでに間に合うように配慮する必要から9月11日に決定。学術会議職員の長野浩二さんの特別の配慮で、時間外に本部講堂を使用できることになった。夏休みに入る関係から、原則として電子メイルを中心としたやりとりで、企画、構成、人選、連絡、広報をすべて処理することとなり、開催までこぎつけました。

期限付き特別分科細目とは?

新しい研究分野の成立にともなって登場した細目。今期(平成13〜15年度)は「ジェンダー」のほかに「生物資源の返還と展開」「水循環システム」「生物多様性」が採用されました。3年間の時限を超えて定着するためには、「相当数」の応募件数がのぞましいとされます。「相当数」とは、約200から250 件。件数にかかわらず採択率は25%(4件に1件)と、分野を越えて調整されますから、応募件数が多ければ多いほど、配分率は高いことになります。

分科細目「ジェンダー」とは?

科研費公募要領から引用します。
「女性学は、女性によって、女性にかかわるとされる事象を研究の主題とすることから始まり、身体、性、心理、労働、日常生活、芸術表現、社会活動、歴史的体験その他の多様なジャンルにわたって、専門的または学際的に進められてきた。生物学をはじめとする自然科学の近年の成果によれば、生物学的ないし医学的な性差(セックス)は人類を明確に二分するものではない。にもかかわらず男/女の二項対立的な区分は、社会・文化における諸関係を構成する基本的な要素として機能しており、女性学はこの男/女の二分法に「ジェンダー」という語をあてた。セクシュアリティや表象など、従来は学問研究の主題とされにくかった種々の対象の考究が、女性学や、その影響のもとに成立した男性学およびジェンダー研究によって、一段と進展することが望まれる。またジェンダーに対して中立または無縁であるように見える事象や学問も、その中心概念や根本的な諸前提を構成するうえで、深くジェンダーに関与することが解明されつつある。本分野は、あらゆる対象・専門領域におけるジェンダー変数の作用を問題化する研究を含む。」

科研費に応募するには?

 今回(平成13年度)の科研費の応募条件は次のとおりです。

  1. 研究種目:基盤研究(C)「研究者が一人で行う研究又は複数の研究者が共同して行う研究であって、独創的、先駆的な研究を格段に発展させるためのものを対象とする」
  2. 申請総額:500万円以下
  3. 審査区分および研究期間:一般(2〜4年)、企画調査(1年)
  4. 申請書類の提出期限:平成12年11月22〜28日

申請資格

研究代表者:「次の研究機関に常勤の研究者として所属する者(大学および高等専門学校/文部省および文化庁の付属機関で学術研究を行う者/学術研究を行う機関で文部大臣の指定するもの他)」。ただし「共同研究者」には大学非常勤講師職にある人、「研究協力者」には大学院在籍中の院生がなれます。

申請書類の入手方法

頒布および文書による申し込み:科学研究費補助金計画調書用紙頒布会(JR水道橋より5分)
〒101-0061 東京都千代田区三崎町2-7-6 浅見ビル1階
Tel.03-3263-9092, 9093
インターネットによるダウンロード:学術会議ホームージ
http://www.scj.go.jp/

私記

シンポ当日のやりとりを通して、「自分には関係のない特権的なひとたちのあいだのやりとりだ」と感想をもらした参加者がいました。女性学の担い手には、民間の研究者や無名の市民、草の根の活動家のような人々がいます。日本女性学会が学術会議公認団体になったことを含めて、今回の科研費分科細目「ジェンダー」の設定まで、日本の女性学は「制度化」の道を歩んできました。現在でもその方向に対するねづよい反発はありますが、私見では女性学の制度化は是か非か?の問いの段階は過ぎ、制度化の方向をくつがえすことはもはや非現実的です。「制度化」は「体制内化」と同義ではなく、問題は「どのような制度化か」の内容を問うことでしょう。

◇科研費申請のノウハウ

村 松 泰 子(東京学芸大学)

今回「ジェンダー」で申請できるのは「基盤研究(C)」という研究種目である。
単独研究・共同研究とも可能で、(C)は研究期間(2〜4年)の申請総額が500万円以下の研究を指す。とりあえずの時限である3年間は毎年、新規の研究課題の申請を受け付けるので、たとえば今回の時限とされる2003年度の申請時(02年の秋)に最大4年間の研究までを申請できることになる。
申請書には、研究課題名、各年度の経費、研究組織のほか、研究目的、従来の研究経過・研究成果又は準備状況、研究計画・方法などを記入する必要がある。審査委員には、女性学・ジェンダー研究の分野の研究者が推薦されていると聞くが(具体的な氏名は任期後に公表される)、幅広い研究課題の申請が考えられるので、申請内容と審査委員の専門が一致するとは限らない(審査委員は第一次審査では、ふつう一人で数十件の審査をする)。その意味でも、目的(何を明らかにするのか、研究の意義など)、計画・方法などが直接の専門分野の審査委員でなくてもわかりやすく説得性があるように、具体的で明確に書いてあると、よい評価を受けやすいだろう。2〜4年という研究期間が必要な理由、それぞれの年度の内容の区別なども明示する必要がある。設備備品の経費は研究経費総額の 90%を超えてはならないとされているが、設備備品の購入が主目的であるかのような研究は、採択されにくいだろう。
このほか、申請用紙のそれぞれの欄の大きさに応じて、しかるべき量の記入をすること、場合によっては箇条書きなど、わかりやすい書き方を工夫することなど、記入の技術的な面も無視しないほうがいい。
なお、従来からある申請の分科・細目(たとえば社会学、英語・英文学など)で申請するのと、「ジェンダー」で申請するのと、どちらが有利かは、それぞれの領域の事情により異なるだろう。2つの細目の基盤研究に、まったく同じ研究を同一研究代表者が申請することはできないが、研究組織・研究内容が一部重複する形で両方に申請することは考えられよう。もちろん、研究組織も含めて、名義だけというような形はまずいし、どちらで採択されるかにより、それに応じた研究をする責任はある。運良く両方とも採択されたなら、実質的には合併することも可能かもしれないが、その場合も2つの研究内容を遂行可能かという点まで、きちんと検討しておく必要はある。

◇科学研究費シンポに出席して

江 原 由美子

科学研究費シンポに参加した。ジェンダー細目の時限付き創設にいたるまで、日本女性学会の会員の方々をはじめ、他のさまざまな方々が、ご助力くださったことを伺って、本当に頭が下がる思いだった。本当に良かったなと思う。
けれども、「時限付きなので、何としても多くの方々からの応募がないとなくなってしまうかもしれない」という危機感が何人もの方々から表明されたのと、他方において「出すことができるのは一定の資格がある方だけです。」という注意事項が繰り返し言われたのを聞いているうちに、「これって要するに、他の問題と同じじゃない」という怒りも感じてしまった。ご助力いただいた方々に対する怒りではない。そうではなくて、女性問題という問題そのものの仕組への怒りである。出すことができる人を予め限定しておきながら、応募が少ないならば必要性がないということでなくすと言う論理は、繰り返し繰り返し女性問題で(あるいは差別問題で)使われてきた論理と同じではないか。要するに、最初に相手の手を縛っておきながら、手をあげさせて、次には手をあげなかったということを理由として差別を正当化するというあの論理である。だからこそ、「応募が少ないと大変」という危機感が生れるのだ。女性は、就職において不利益を被っている。ジェンダー細目の研究費があれば良い研究ができると思っていても出せない人もいるのだ。この部分をキチンと把握しておくことが、とても大事なのだと思う。
学会からのお知らせ

◇〔代表幹事挨拶〕

河 野 貴代美

日本女性学会会員の皆様
私はこの度、日本女性学会の代表幹事をおおせつかりました河野貴代美です。とはいうものの、実のところ代表幹事とはどういう役割なのかよくわかっておりません。目下、それぞれの幹事の具体的役割をあげて、仕事の重複や抜けている(た)エリアを検討しているところです。
ともあれ、日本女性学会が発足して20年がたちました。20年前の発足に立ち会った者としては、会員の顔ぶれや活動・興味内容がとても多様化してきたなあ、との思いを禁じえません。なかでも大きな変化は女性学研究者(大学教員)の増加でしょうか。その一方で女性学を杖に自身の自己変革を目指したい個人会員もいらっしゃるわけで、お互いまだまだ試行錯誤の段階を脱皮するわけにはいきませんね。よろしくお願いいたします。

〔幹事会のがやがや、ざわざわ〕

幹事会はたいてい、日曜日の午後、深沢幹事のご尽力で、東京、新橋にあるNPOセンターをお借りしておこなわれます。その日、関西の幹事は、朝早く新幹線の駅に向かって走っており(ああ、その様子が目に浮かびます!)、ご苦労様です。ドアをあけると持ち込まれたランチのパン、サンドウイッチ、おにぎりのほのかな香りが立ち込めています。事務局をやって頂いている「ジョジョ企画」も常に参加。日曜なのに有難う。
担当幹事から提案事項や問題事項が議題としてあがり、率直ながら、なごやかな調子で論議が続きます。これまでは、年に大会が2回あったせいで、幹事会は絶えず大会をどうするか、に追われてきました。しかし、今年から、年に一度になりました。来年は、千葉市女性センターと、共同主催での開催が見込まれています。
これからは、女性学会のめざすものに関するつっこんだ議論や大会の内容、場所等、より丁寧な論議が展開できるものと期待しています。いうまでもなく、会は私達一人ひとりのものです。発展も停滞も私たちにかかっています。ぜひ幹事会を傍聴してください。そして、なんでも結構ですから、積極的な意見をおよせください。心から、お待ちしております。

◇会員による研究会の企画募集

細 谷  実

大会が年一回に減ったことを受け、研究会を活性化していくことになりました。
幹事会企画研究会を年に2回くらいおこなう他、会員のイニシアチブによる研究会についても、学会として経費補助や情報宣伝などを行って行くことになりました。そこで、皆様からの意欲的な研究会の企画をお待ちしています。
以下の諸点が要件です。

1. 研究会の趣旨が女性学会の趣旨に適っているもの。
2. 少なくとも会員に対して、公開の研究会であること。
3. 研究会のタイトルと趣旨、企画者(会員個人・会員を含むグループ)、開催場所、開催日時、研究会のプログラム、全体の経費予算と補助希望額(2万円以内です)が決定していること。なお、未決定部分は少ないほど良いのですが、場所・プログラム・経費については予定=未決定の部分を含んでいても結構です。
4. 学会のニュースレターに載せる「研究会のお知らせ」の原稿(27字×10行前後)があること。
5. 研究会終了後に、研究会実施の報告文を学会のニュースレターに書いていただきます(研究会補助費は、その原稿提出後に出金いたします。)
6. 学会総会での会計報告に必要なため、領収書類をお出しいただきます。

申し込みは、研究会開催の3カ月前までに、研究会担当幹事まで、お願いいたします。
今期の研究会担当幹事は、江原由美子と細谷実です。詳細のお問い合わせも、研究会担当幹事まで。

◇誌上シンポジウムの呼びかけ

投稿のお願いとテーマ募集
大会年1回化に伴い、これまで大会の案内と報告にほぼ手一杯だったニューズレターを、会員の討論の場として充実させていくこととなりました。今回は「フェミニズムの障害」というテーマで次号への会員の皆様の投稿を募集します。細谷実幹事からの問題提起を踏まえて、どしどし意見をお寄せ下さい。お待ちしております。
原稿は800字程度で、メールかファックスで、1月15日までにお送り下さい。
また、次号以降この誌上シンポジウムで取り上げるテーマも、あわせて募集します。原稿もテーマも下記にお送り下さい。
(ニューズレター担当:牟田和恵、伊田久美子)

第1回誌上シンポジウム〈フェミニズムの障害〉

フェミニズム パラパラほども 広まらず

言うまでもなく、上記は華城の句のパクりです。「パラパラ」とは、20世紀の終わりの日本の若い女性たちの間で流行している踊りです。もちろん、体制的でない思想は、基本的には少数派の位置に甘んじる覚悟も必要でしょう。毒を失い牙をな くし志を捨てて多数派になっても仕方ないです。しかし、フェミニズムは、自分たちのみが清く正しくあることで良しとする道徳運動ではありません。他者への働きかけによる味方・共鳴者・理解者の拡大も必要でしょう。そこに、いくつかの障害が横たわっています。
1、フェミニズム自体の問題性
2、伝統的保守イデオロギー(前近代的ジェンダー観と近代的ジェンダー観の双方)
3、ポストモダン・イデオロギーのある種の傾向
4、新自由主義的な個人主義と能力主義
2は、これまでにも多く分析されていますが、最近、ヴァージョン・アップして登場していると思います。1・3・4は、断片的にしか分析されていません。1〜4の障害について、フェミニズムの戦略的視野に立っての検討が欲しいところです。

(細谷 実)

◇日本女性学会学会誌『女性学』Vol.9 原稿募集要項

日本女性学会学会誌『女性学』Vol.9の投稿論文を募集します。下記の規定をご確認の上、ふるってご応募ください。
1.応募規定
(1)応募資格
日本女性学会の会員に限る。
(2)応募原稿の対象
論文、研究ノート、情報及び書評で未発表のものに限る。
論文は主題について十分論証がなされている点に、研究ノートは主題の提起に独創性があり、今後の展開が期待される点に評価の価値がおかれる。また情報とは、国内外の女性学をめぐる動向を意味する。
(3)紙数制限(注、参考文献リスト、及び図表等を含む)
(a)論文・・・・・・・・20000字以内
(b)研究ノート・・・・・8000字前後
(c)情報、書評・・・・・2000〜4000字
(4)原稿締切
2001年3月23日(当日消印有効)
(5)応募者は、2001年1月9日までに、テーマならびに内容についての概要(1000字以内)を提出する。
(6)原稿はコメンテーターが査読を行い、編集委員会が採否を決定する。
(7)使用言語は日本語とし、掲載原稿には英文要約をつける。
(8)投稿はパソコンまたはワープロのプリントアウトとし、掲載決定後、最終原稿のプリントアウトと、フロッピーディスクを提出する。
(9)詳細は応募受付後送付する執筆要領を参照。

2.刊行スケジュール
テーマ、概要の提出期限・・・・2001年1月9日
原稿締切・・・・・・・・・・・2001年3月23日
コメント送付・・・・・・・・・2001年4月下旬
リライト原稿提出期限・・・・・2001年6月下旬
入稿 ・・・・・・・・・・・・2001年7月上旬
執筆者校正二校まで
編集委員会 念校・校了
印刷・製本・完成・・・・・・・2001年11月中旬
発送、広報・・・・・・・・・・2001年11月下旬

応募原稿の概要・応募原稿に関する問い合わせ、ならびに送付先
〒272-0023 千葉県市川市南八幡1-15-24 日本女性学会学会誌編集委員会
TEL 047-370-6068 FAX 047-370-5051

☆学会誌『女性学』Vol.9の編集委員を募集します。
期間 2001年1月から完成後、次号編集委員会への引継終了まで。
応募資格 会員。居住地域の制限はありません。
募集人数 5、6名
編集委員会は年間5、6回開催。交通費、通信費など実費が支給されます。
経験、経歴などは問いませんので、皆さんの応募をお待ちしています。

希望者は、2000年12月中旬までに学会事務局までお申し出ください。

◇会計からのお知らせ

会計事務の手続き上、今後、一般の年会費納入以外のすべての振り込み先を、以下の銀行口座へ集約することになりました。海外から学会費を納入していただく場合、学会誌のバックナンバー等の追加購入代金をお支払いいただく場合も、この銀行・口座番号へお願いすることになります。お間違えの無いよう、お願い申し上げます。
日本女性学会事務局
東京信用金庫 本八幡支店
口座番号 3042505

(会計担当 新田啓子)

会員情報コーナー

◇お誘い 関西若手女性学研究者ネットワーク

藤 田 嘉代子

会員のみなさまご存知の通り、女性学が学問として認知されアカデミズムのなかで一定の位置を占めるに伴って、女性学を専攻する学生や大学院生が飛躍的に増えています。しかし現実は厳しく、学生・院生は、満足な研究・学習環境が整わない中で独学したり個人的に学内外の研究会や講義の情報を収集したりして個別に対応している状態です。私たちは、こういった女性学を学び研究する際の困難を乗り越えて、相互に連携していくための、関西を主な活動エリアとする若手中心のネットワークを作ろうとしています。今回、手はじめにインターネットを介したネットワークとして、フェミニズムに関する情報を相互に提供・交換・共有し合うことを目的としたメーリングリストを始めました。
女性学会会員でこのメーリングリストに参加希望の方、興味のある方は下記アドレスまで連絡を下さい。なお、特にメンバーシップは定めていないのでフェミニズムに関心がある方ならどなたでもメンバーになれます。また、関西若手女性学研究者ネットワークでは、若手女性学研究者の自助組織として、研究生活上の困難や研究者のサバイバル戦略について語りあうイベントを催す予定です。今後の情報は、ホームページに掲載しますのでそちらをご覧下さい。(藤田嘉代子)
関西若手女性学研究者ネットワーク・ホームページ(現在工事中)
http://www.geocities.co.jp/PowderRoom-Rose/3949/

◇寄贈本の紹介

会員、杉田聡さんから、下記のご著書を寄贈いただきました。
杉田聡『男権主義的セクシャリティー
−ポルノ・買売春擁護論批判ー』
青木書店 2000年